根管治療を成功させるには
2018年01月09日(火)
こんにちは。院長の岸川です
皆さんは歯の根の治療と聞いてもよく分からないと思う方が多いと思うのですが、歯医者さんで神経の治療のことを言います。
ですが実際は神経の治療を行うことは稀で神経の治療がされた後の再治療を行う事が多いです。
歯の神経を除去すると同時に歯の血管も除去するので神経の治療がされた歯では免疫が働かずに歯の内部で細菌が繁殖します。
細菌の数が問題にならない程度であれば良いのですが、感染が多いとしばらくして歯茎が腫れたり、噛んだ時の痛みが出てきます。
感染が多くてもすぐには症状が出ないので早期発見はなかなか難しいです。
レントゲンで見つかった時にはもう大分骨が溶けた状態なのです。
その為、感染した歯の治療の時は感染部分の削除が多く、治療後の歯の強度に不安が残るケースも多々あります。
今回もそのようなケースでした。
感染根管治療開始、簡単に内部の詰め物(GP)除去
取れたかどうか確認します、、、、、、いい感じですかね?
角度変えて、見やすいように歯を少し削り、、、、、、かなり残ってますね。
専門用語ですが、分岐部のアンダーカットのイスムスにこれだけ隠れていました。
ある程度綺麗に人工物を除去出来たので次のステップです
ここまででも感染除去は大変なのに、何故感染していない神経の治療の方が料金が高いのか。
神経の治療は感染させないように有機質とるだけなので簡単なのですが、、、、、、不思議ですね。
ここで感染部分が染まる薬を使うと、このように青く染まります。
最初に見た感じの感染は取った後ですが、根の中までしっかり感染してましたね。
感染除去しては染め、除去して染めを繰り返して、、、、、
もう危ない、これ以上は大きく穴が空くと思い感染除去はここまでで終了。
近心にクラックは認められていたのですが感染なしの状態なので外部には交通してなさそう。
だが、、、、、感染除去していくと頬側の歯根の中央ぐらいから割れ目が染め出されてきました。
悩みましたがMTAが保険治療で使えるはずもなく(根に穴が開いたら保険治療は試合終了です)、患者さんに説明し、限界まで綺麗にした後に根の先のみ詰めて(ダウンパックのみ)大部分をプラスチックで補強して終了。
この歯にトラブルが起きた場合には再治療できる歯の量ではない為に出来るだけ長く持つようにプラスチックで根を埋めました。
もっと歯がしっかり残っていれば再治療のことも考えたやり方にしますが今回はこれで経過を見たいと思います。
歯の根の治療は細菌感染との戦いです。
小さいことの積み重ねでしか成功率は上がりません。
見えない細部が見える細部になるマイクロスコープは歯科界の革命だと思います。
保険治療では必要と思った時にマイクロを使用しております
新年初日の診療が終わりました。親知らずの抜歯とダイレクトボンディング
2018年01月04日(木)
今日は久しぶりに埋伏智歯の抜歯を行いました。
下顎の中にある神経が見える程深く埋伏していましたので大変疲れました。抜歯後は神経が奥に確認できる状態でした、出血がかなり少なくドライソケットが心配です。
ドライソケットとは抜歯した後に血の塊が骨を覆うことが出来ずに骨が直接露出してしまうことです。親知らずの抜歯後疼痛で一番痛みが出るのがこのドライソケットです。
抜歯後の注意点は強くうがいしない、ストローで強く吸うような行動(吸啜行動)を避けることです。細かいことは色々ありますが、ドライソケットになってしまうと2週間程眠れないほど強い痛みが続きます。
まずはドライソケットにならないよう丁寧に抜歯を行い、処置後は注意事項を守ってもらうことが大事ですね。
親知らずの抜歯後は今年最初のダイレクトボンディングでした
右下の奥から2番目の詰め物をやり直します。
一番奥の歯は頬側が欠けてしまっていますがすでに噛み合っている状態です、近心遠心の辺縁隆線が残っているのでアンレーにするかダイレクトでMIを第一で考えるか悩ましいですね。既存の詰め物がどのくらい深いかにもよりますが、遠心の破折が今後リスクになるのでアンレーが安心ではあるのですが、、、でもダイレクトのMIは魅力的。自分だったらダイレクト、、、、かな?
とりあえず奥から2番目のダイレクト直後
溝や隆線を付与することで歯にかかる力を点接触にすることで、長持ちするようになります。
噛み合わせの調整後に研磨して終了。赤い着色は噛み合わせの審査です。
詰め物のみ研磨しているので既存の歯質に赤色が残ってしまってますが問題ありません
削る量が最小限でかつ審美的な治療は条件が許せばダイレクトボンディングで間違い無いですね。
右下7ダイレクト
2017年12月22日(金)
マイクロスコープで一番難しいと私が思っている右下奥歯の治療です。
最後方臼歯のラバーも難しいです。
歯冠の高さがとれればよかったのですが、今回は治療する歯にクランプをかける必要があり時間がかかりました。
治療前
治療中、遠心にクラックが何箇所かしっかり入っています
治療後
溝の形態、遠心舌側咬頭の咬耗、何よりクランプ、ラバーが気になります。
近心の辺縁隆線は満足していますし、咬合調整する前は遠心舌側咬頭もかなり綺麗にできたと思ったのですが、思いのほか噛み合わせが深く立体感を下げなければなりませんでした。
それよりも、術中の遠心の亀裂が何箇所かあるため、かなり咬合力がかかっている歯だということが問題です。
ナイトガードで経過観察しますが、今後アンレーになる可能性も説明させて頂きました。
今後も出来るだけ削らずに精度良く、審美良くを意識して頑張って行きたいと思います。
長時間の治療お疲れ様でした。
前歯ダイレクト
2017年12月21日(木)
前歯部の空隙ダイレクト希望の患者さんの症例です。
矯正治療は希望なさらず、削らないで対応希望でした。ベニアとの違いもお話し了承されたので治療に入りました。
歯冠幅径は左右差が生じること、天然歯の比率が崩れることも説明。切縁はできるだけ空隙が出ないようにしてほしいとのこと、スマイルラインが切縁見えるぐらいだったので審美を優先し術後予測の模型を作成。左右のバランスも了承いただいたので治療いたしました。
シリコンガイドはラバーしてると使い難かった、歯冠乳頭は模型上で少しトリミングすればいいかな?、、、改良必要ですね
自家製シェードは役立ちます、ラバーダムは、、、、精進します。。。
研磨、色調確認の際にコントラスター無しで見ると調和していたのですが、カメラで確認するとラインアングル、近心の蛍光性、エナメル幅、マージンが気になります。修正をお話させて頂きましたが今の状態で満足しているので変更は希望されませんでした。。。。
私も一眼レフでコントラスターつけて撮影するまでは全然調和して見えていましたし、コントラスターつけた状態で満点を狙う必要性はないのかもしれませんが。術者としては気になります
切縁はこんな感じ、スマイルラインにより症例の難易度は全然違います
正面観、コメント色々書きましたが削除しました。
症例写真は残さなければ上達しないと言われますが、どの写真を見ても改善点が見えてきます。今後も上手い先生方に近づけるよう頑張ります。
カメラは審美治療に必須ですね
5-Dの歯周病・インプラント一年間コースが終わりました
2017年12月18日(月)
あっという間に一年が過ぎようとしています。
まだ勤務医だった頃にスタートした5-Dセミナー、二年前に基本から勉強し直そうと思い申し込んだことを思い出します。
蓋を開けてみると基礎から簡単な骨再生療法、歯肉移植、インプラントまで覚えることが多く大変でした。
二年待ちのセミナーでしたが東北大学の学生の頃に勉強した内容、単発セミナー、医学書では学ぶことのできない内容だったと思います。
なぜ5-Dのコースを選んだかというと、南先生の歯肉の縫合がすごく綺麗に思えたこと、さらには治りも今まで見てきた中で一番綺麗だったことでした。基本的なことの重要性を学びましたが、歯科界はその基礎的なことの勉強、体得が非常に難しいと思います。
来年はさらに日数が倍に増えて内容も難しいアドバンスコースを受講予定です。
一ヶ月に一度3連休を頂きご迷惑おかけしますが、その分包括的な医療を提供できるよう頑張りますのでよろしくお願いいたします。