生きている歯と死んでいる歯の違い
2018年09月24日(月)
お久しぶりです、最近はめっきりブログの更新が途絶えておりました。
診療も忙しくなり、記録を行う(写真で歯の状態を残す)時間が無くなってきているなと思う毎日です。なんとかしたいとは思っているのですが、、、
日々の診療で多く遭遇するのが歯の再治療です。
いつも患者さんに神経の治療はされている歯の内部に感染が起きて炎症が起きていますよと説明する時があります。
なぜ治療した歯で感染が起きるのかはこれまでのブログでもお話させて頂きましたが、生きている歯は血が巡っていて自分の免疫により無菌状態が保てます。
それとは逆に神経の治療を行った歯は血管も同時に取っているので自分の自己免疫が歯に働かなくなります、この時点で歯の内部に感染は確実に起きます。
大事なのは感染を最小限に止めることが出来るかどうかです、お口の中の湿度と温度は細菌の培養にはもってこいの環境と言えます。
感染が広がれば広がるほど再治療の難易度は上昇します。治療すれば確実に治る状態では無くなってしまう為、外科処置が必要になったり時として抜歯の宣告を受けてしまうことになるかもしれません。
そうならない為に神経を保存することに価値があります。
MTAのセメントを使用して極力保存可能な状態であれば残しますが、医療に100%がないのも事実です。
神経の感染が大きければ大きいほど、かつ歯肉の下に及んでいればより神経の保存は困難になります。
セラミックの詰め物の下で虫歯が広がっている状態です。
詰め物を外して虫歯を除去して生きましたが、神経も部分的に切除しなければならない状態でした。
MTAで神経を保存してダイレクトボンディングを行いましたが数ヶ月してくると噛んだ時に痛みがあるとの事でした。
この段階で再治療に移ります、部分的にでも再度神経が温存できれば再度温存する予定でしたが、マイクロスコープで確認すると感染のさらなる拡大も考慮して神経の治療をさせて頂きました。
ただし、ダイレクトボンディングで虫歯の所は治療している為、歯を削る量は必要最小限に行いながら4つの神経を治療して、削った穴はレジンで封鎖しています。
ダイレクトの適合も問題ないですね。
今回は歯を大きく削らずに治療終了としていますが、保険治療では殆どのケースが被せ物で補強した方が歯の破折には抵抗出来ると思います。
他に患者さんにお話する事として歯の破折があります
歯は人によって割れる事もあるという事です
歯の根まで及ぶ破折は根の部分的な除去、もしくは抜歯になってします為、歯ぎしりや食いしばりを持つ方で歯の状態からマウスピースでの予防をオススメさせていただく事もあります。
他にも前に行った治療では大丈夫だと言われたのに、今回の再治療では抜歯と言われる事もあります。
毎回歯の状態は悪くなるので、同じ歯の根の治療でも条件が全く異なってくるのです。
もう歯の半分が歯肉の下まで虫歯で感染しています、再治療の度に歯がどんどん無くなってしまい骨の近くまで虫歯になると歯周外科治療が必要になるケースが多くなります。
もちろん、抜歯を診断される事も多いです。
そのような場合レジンで隔壁(唾液の排除など)を作っての治療になります
歯が根しか残っていないケースではヒビが見つかる事も多いです、、、、、
この場合は感染を食い止めることが不可能となります、、、、、、
ヒビがなくても
歯の感染の程度が大きければ当然治療の難易度も上がります。
歯の根の治療は本当に人それぞれの問題点がある為、一概に同じ治療で対応できる事はあまりないと思われます。
少しでもトラブルが小さい内に対応した方が良いので歯の定期検診には来て頂きたいと思っております。