むし歯予防に欠かせない、知られざる「唾液」の役割
皆さんこんにちは。
仙台市太白区富沢の歯科、きしかわデンタルオフィスです。
歯ブラシのほか、フロスやマウスウォッシュなどのケア製品もむし歯予防に役立つアイテムですが、そもそも私たちのお口にはむし歯を防ぐ働きが備わっています。
それは「唾液」です。今回は唾液とむし歯予防との関係をお話しします。
食事を摂った後のお口の中は、酸性に傾きます。すると歯の表面のエナメル質からカルシウムやリンが溶け出していきます。この状態を脱灰といい、むし歯の初期段階なのですが、「再石灰化」されれば溶けたエナメル質は修復されむし歯はそれ以上進行しません。
唾液はこの再石灰化を促し、酸性に傾いたお口の中を「中性に保つ」役割を果たします。
唾液はほかにも、むし歯の原因となる細菌の塊である歯垢(プラーク)を洗い流す「自浄作用」や、細菌の繁殖を抑える「抗菌作用」も発揮します。
このようにむし歯に対してとても重要な働きを果たす唾液ですが、加齢やドライマウス以外にもさまざまな理由で唾液の分泌量が少なくなってしまうことがあります。
1. 口呼吸がクセになっている
2. 日常的に強い緊張・ストレスを感じている
3. 糖尿病、腎不全などの持病
4. お口の中が乾燥する副作用のある薬を服用している
5. シェーグレン症候群
唾液減少の原因を取り除くことが難しい場合は、かかりつけ医のほか歯科医院において、お口・唾液に関する指導を受けられることをおすすめします。
唾液の量が減るとむし歯になりやすいだけでなく、歯周病や口臭といったトラブルも引き起こされます。このようなことを防ぐためには、唾液の分泌量を増やすために普段から食事の際にはしっかりよく噛むことを心がけましょう。唾液は「噛む」ことで自然と分泌量が増えます。さらに耳の下から頬の間にある耳下腺、顎の下にある顎下腺、舌の真下にある舌下腺を優しくマッサージすると、唾液が分泌されやすくなります。
唾液の分泌量を増やすこと、適切な歯磨きでむし歯の原因となる歯垢をしっかり取り除くことでむし歯にかからないお口づくりを心がけましょう。
再石灰化と酸を中和する作用により、唾液はむし歯から歯を守っています。
ところが、ストレスなどから唾液の分泌量は減ることがあります。むし歯リスクを高めないためにも普段の生活習慣を見直して、唾液がしっかり分泌されるように心がけましょう。
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