あけましておめでとうございます。
2025年01月05日(日)
新年あけましておめでとうございます。
今年も良い一年になるよう医院全体で切磋琢磨していきたいと思います、よろしくお願いいたします。
今年は4月から自由診療の料金改定を行おうと思っております。
自由診療にも様々あるのでその細かな説明をわかり難く説明していきます笑
今回の投稿は専門的すぎるので閉じてもらっても良いかもしれません、、、
大前提として
歯科での標準治療は自由診療であり
医科での標準治療は保険診療である
難しいですよね、標準治療とは医学的に治療の根拠があるもの。分かりやすく言い換えればその時点で最も妥当な治療です。
私も自分の歯の治療は全て自由診療で受けています
歯科医師の方であれば保険診療を選んで受ける人(根管治療は特に)は稀だと思います。
大学で保険診療を学び、その後働きながら標準治療を学んでいくのですが、その為に歯科医院毎で診断も考え方も変わるので当院の考えとして捉えて頂ければ幸いです。
昨年も新しい機材、材料を取り入れながら治療のアップデートを行なっております。
GCから出たレジン材は革命的であり、しかし使い方を誤ると致命的でもあるなと思っております。マイクロファイバーが入っている事、濡れ性がとにかく悪いことを念頭に入れて使用することでその真価が発揮されるものだと思います。当然良いものなのは間違いないので自費の虫歯治療の時には積極的に使用するようになりました。
ダイレクトボンディング、ゴールド、セラミックは以前と変更はありません
少しマテリアルについて説明させていただきます。
当院のセラミックについて
ゴールドを推奨する歯医者さんが多いのも理解しておりますし悩まれる患者さんもいらっしゃるので参考になれば幸いです
当院では大臼歯の補綴(被せ物)は基本的にフルジルコニアでの治療をしております。
ジルコニアを選択する、現時点での私の見解を書いておきます。
硬くて噛んでいる歯が割れないのか?
現時点での歯の強度はペリサービカル象牙質(根管治療で触る部分)の厚さで左右すると言われております、他に顎運動のチューイングサイクル(顎の動き)、パラファンクション(有害事象)、形成の仕方、臼歯離開、、、詳細は少し省きます
上記が歯の破折に影響します。
次に、歯を削らずに治療した方が歯が長持ちすると感じる方もいらっしゃいますが、残された歯にどれだけ強度が残っているかが重要です。
詰め物(レジンやインレー)の治療をいくら丁寧に行なっても虫歯で低下した歯の強度は元に戻りません(現在はGCの商品により対応可能な可能性が少し出てきてはいますが内部応力は変化させれないので割愛します)
しかし、エナメル質以上の強度(ここが重要で、保険のプラスチックの被せ物は強度不足となります)でクラウンやアンレーにした場合歯の強度を回復させることが出来ます
虫歯を除去した後に残った健康な歯の厚みによって詰め物で回復(補強がいらない)なのか覆って回復(健康な部分を削ってでも補強が必要)なのかを診断する必要があります。
天然歯では噛むことで歯冠付近は内側性のベクトル応力で歯頚付近で外側性のベクトル応力が内部にかかりますが修復の仕方で全てが外側に向かう内部応力の伝わり方に変化を起こします(要約すると治療のやり方と材質で歯に流れる力の方向が変化するということです)、この変化に耐えれるかどうかを考えます。耐えれなかった時、歯は破折を起こします。
硬いものを被せたら歯が割れるということはありません
大きい虫歯に詰め物で修復する、柔らかい被せ物を入れることの方がより歯が割れるリスクは上がります。
この診断により削らない治療なのか削る治療なのかを選択しております。当院では削らない治療が良い時もあり、削って補強した方が良い時もあるとしております。
削らない治療で最善なのはダイレクトボンディングで間違いありません。
さて、今度はマテリアルの選定基準です。
ゴールドとの使い分けは基本的に口腔内のエイジングが予測でき、その変化を止める事が難しいだろうと判断した時、歯の高さがそもそもない時、ゴールドが対合歯に入っており治療予定でない時
セラミックも経年的には加水分解で微々たる劣化を伴います、超長期でみた場合はe-maxよりもジルコニアの方が表面の安定性が高い、研磨した際の滑沢はジルコニアが高い
以上の点から殆どをフルジルコニアで作成しております。
他に利点として、表面がつるつるのものであればいくら歯軋りしても相手を傷つけることはありません。ジルコニアは研磨する事で、所謂ジルコシャインとも呼ばれるツヤがでます。
ドクターが噛み合わせを検討しながら作成できる、安定性が高い、仮歯と同じ形態を模倣することで患者さんのセルフケアにより歯肉が安定するのかテストドライブできる。
欠点は色調が難しい、接着が難しい、セレック単独作成は適合が悪い為に技工士か歯科医師による調整が必須である事です。
あとは全て形成に左右されてしまうことですね、同じ機械で削っても下のような違いが出ます。
機械での制作直後ですが下の被せ物の方が段差が大きいです
これは歯の削り方のみで出てくる適合性の差になります。
並べてみると右が隙間が少なく、左が隙間があることが分かります。
削り方を知っているかどうかです、当院では院内で治療の標準化を目指しておりどの歯科医師がやっても一定水準を超えるようにトレーニングしております。
ゴールドの良い面は安定性、歯の切削量の少なさ、歯の経年変化に追従する柔らかさがあります
欠点として貴金属なので現在ではセラミックよりも高価、制作が技工所に依存するので作成する際にドクターによる噛み合わせの検討が難しい、適合も製作者次第のためゴールドの肝であるマージンの仕上げがないケースがある。
ゴールドをセットする時には必ずマイクロスコープにてまずは模型との適合を確認します。
不良なところがあれば歯に入れて再度確認し、必要があればマイクロスコープ視野下で調整を行います。
ゴールドの肝はここの適合性能です、マジックマージンとも言われしっかりと適合させなければゴールドの意味はないかもしれません
保険のものではここの精密性がない為どうしても永続性では不利なのかなと思います。
逆に上手な技工士の方が作り、上手なドクターが形成、セットすればすごくいいものなのは間違いないです。当院でも最後方臼歯への使用はあります。
インスタグラムにてセラミックの症例更新もあるので気になる方は見てください。
よろしくお願いします。